上野千鶴子に恋をした(1)

はじめに

 この話が「離婚後の共同子育て」に関係が薄いと思います。この頃ネタ切れであること、意外と私のエッセイが好評であること、そして私の価値観を表明する目的から、掲載することにしました。リア充自慢をしているつもりはありません。

   上野千鶴子さんは家族社会学・ジェンダー論・女性論を専門とする社会学者です。元東大教授で、数々の一般書の著者としても有名です。朝日新聞日曜版の人生相談「なやみのるつぼ」でレギュラー解答者を務めていました。

 上野千鶴子さんは離婚後の共同親権・共同子育てには反対の立場を取ります。私と意見が合わないはずなのに、上野千鶴子の著作に心奪われずにいられませんでした。

「おひとりさまの老後」を読んで

 私の人生を変えた本の一つに、「おひとりさまの老後」があります。10年ほど前のベストセラーです。私は「おひとりさまの老後」を2013年に読みました。私の記憶によると、「おひとりさまの老後」には、次の様なことが書かれていました。

 社会制度の変遷により、家族のあり方が変わってきた。とくに女性は老後に一人暮らしをする可能性が高い。充実した老後(引退後の生活)を過ごすために、特定の人間関係に依存しない、広い人間関係を築くことが大切である。我々は老後に一人暮らしをすることを踏まえて、引退してから準備するのではなく、若いうちから準備しておくべきだ。

 上野さんは、男女のコミュニケーションの違いについて、次のように論じていました。

 男性の人間関係は、自分の実力を認めてもらったうえで成り立つ。男性同士では弱音を言い合うことができない。特に仕事を引退したあとに、男性は上下関係のない人間関係を作ることができない。それに対して女性の人間関係は、「弱さ(困りごと)の情報共有と共感」から成り立つ。女性の方が、老後に豊かな人間関係を作りやすい。

 私はこの考え方に感心しました。そして豊かな老後を迎えるべく、コミュニケーション法を変えることにしました。まずは女性に対して、自分の困りごとを始め、弱い自分、情けない自分を積極的に開示することにしました。そして女性と話を聴く時には、事実関係や物事の善悪ではなく、女性の感情に焦点を当てる用にしました。すると不思議なことに、多くの女性は私を助けてくれるようになりましたし、以前よりも明らかに女性との会話がはずむようになりました。「おひとりさまの老後」に出会ってから、私の友達の大半が女性となりました。以前の私は女っ気がなかったのに。女性の友達が皆無だったゆえ、女性への接し方を変えることに抵抗がなかったのかもしれません。

 その反面、私は男性に対して、なかなか自分を開示できずにいました。男性に対して弱い自分を見せることにためらいがありました。以前からの男性の友人に対して、突然接し方を変えにくかったのだと思います。 

    数年前松本市で上野千鶴子さんの講演会がありました。私の家から歩いていけるところに、上野さんが来てくれます。聞きに行かないわけにいきません。
    上野さんはこぎれいでおしゃれなおばさまでした。攻撃的で前衛的なことを言うような人には見えませんでした。テーマは「高齢化社会と、自分が要介護状態になった時に幸せに生きるためにはどう準備すべきか」でした。そのテーマゆえか、聴衆のほとんどは定年退職者と思われました。意図的にか、公演の終盤に安倍政権を辛辣に批評しました。それが聴衆に受けていました。会場で上野さんの著作を購入し、裏表紙にサインをしてもらって帰りました。

Coそだて株式会社

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