「自由な親密性」はなかなか実現できないようだ。

 連休を利用して家族社会学の一般書を読みました。主に家族形態の変遷を経済的側面から評価し、家族は今後どのような形になるのか論述した良書でした。そしてこの本は専門用語が少なく、読みやすい文体でどんどん読み進めることができました。

 筆者は「自由な親密性」がある社会が望ましいと考えています。「自由な親密性」とは、「男女ともに自立した経済基盤のもとで、自由に結合し、子育てをする」ということです。しかし経済成長の鈍化、無償労働、人口の高齢化の要因のため、実現は困難ですだと論じ。
そして結婚すること、家族を持つことから得られるであろう幸せについてもまた、得られる人と得られない人との間で不平等が生じていることを指摘しました。これは私的領域における「感情の不公正」と言い換えることができます。その上で、「公的な世界においては基本的なライフ・チャンスを公平にし、家族がなくても生存できるような社会を作り上げることができれば、感情の不幸性が生存の不公正に結びつくような状況は緩和されます。当面私たちはここを目指すべきで、私的領域に公平さを徹底させることは非現実的だ。」と締めくくっています。

 私はいろんな人たちと、よく家族について語り合います。私は様々な話者の背景を十分に理解できていないためか、必ずしも共感できないことが多くありました。例えば、次のような人たちに、私は共感することができませんんでした。私の両親は性的役割分担に基づく家族観を私に押し付けてきました。私の妹夫婦は共稼ぎで、妹の方が稼ぎが多いものの妹の方が家事を分担していました。また自分が家族を特別扱いしているにもかかわらず、配偶者は家族を特別扱いしないと腹を立てている人がいました。この本を読むことで、彼らの置かれた環境と思考過程を理解することができました。

 これからも来談者に寄り添い、来談者とともに素敵な未来を探す旅を続けていきたいです。この本はその助けになると思いました。

Coそだて株式会社

私たちはカウンセリングなどを通じて、家族の心理的サポートを行っています。 〒420-8026 静岡市駿河区稲川1丁目4−19エスプラネードINAGAWA103号 tel: 090-3432-1888 e-mali: cosodate0820@gmail.com

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